2011年1月12日水曜日

現代名作名画集 第1巻 石井鶴三集 吉川英治著 宮本武藏

1954

ウラ表紙

ウラ表紙の文字のカゲは型押しで六興出版社版


書 名 現代名作名画集 第1巻 石井鶴三集 吉川英治著 宮本武藏
著作者 石井鶴三
発行人 吉川晋
発行日 昭和29年4月25日
発 行 六興出版社
発行所 東京都中央区日本橋蠣殻町1−12
印刷人 守安巌
印 刷 東京印刷株式会社
製 本 黒岩製本所
判 型 A5判函入 上製平綴じ(糸) カラー口絵付 本文192ページ
定 価 360円

【ひとこと】この本は、どこにも装釘(装本)者のなまえを記していない。しかし花森安治であるのは一目瞭然だ。それを大貫伸樹さんはどうやって確認したか、ブログにつづっておられる。いまさらではあるが、ひじょうに含蓄にとむブログだから、ぜひそちらをご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/shinju-oonuki/20080424

この本が刊行された昭和29年、『サンデー毎日』7月25日号<女の男装・男の女装 花森安治の思想と生活>という特集記事に、花森のデザインを評した次の発言がある。

「‥‥装丁の絵を例にとると、専門家の目から見ると、線のきびしさもないし、構図もでたらめだし、なっちゃいないんですが、そのヘタさ、シロウトくささ、稚拙さが逆に効果を出すようにしてる。ただそんな自分の限界を、ちゃんと意識して、計算しているところが、彼の賢明なところなんですよ。たとえばクレオン(ママ)でマルやサンカクを並べる。それだけなら抽象画になるので、それをペンで線でつなげる。すると木になる。大衆というのは奇妙なもので、こんなシロウトにも、すぐわかるようなナゾをかけられて、ハハアなるほど、ウマイわねと思っちゃう。こんな大衆心理を、じつによくつかんでるんですな」
 ——当時、頭角をあらわしてきた亀倉雄策である。 批評ではなく自己顕示にすぎない。思想なきことばの、なんとケイハクにひびくことよ。


現代名作名画集 第3巻 函
現代名作名画全集 函ウラ



現代名作名画全集は全14巻企画。月報をつけて、毎月刊行の予定であった筈だが、全うしなかったのではないか。古書店はもとより、国会図書館にも全巻そろっていない。石井鶴三集のほかに宮田重雄集(第3巻)と木村莊八集(第14巻)だけを目にできた。