2011年3月9日水曜日

ソロの音楽師 多田裕計

1948

書 名 ソロの音楽師
著 者 多田裕計(1912−1980)
発行人 木村健一 
発行日 昭和23年11月1日
発 行 富國出版社
発行所 東京都千代田区富士見2−9
印刷者 奈良直一
印刷所 常磐印刷所 
判 型 B6判 上製平綴じ 本文252ページ
定 価 120円


扉(画像の上でクリックすると拡大できます)

目次(1)
目次(2)と本文扉

【ひとこと】多田裕計は昭和16年、小説『長江デルタ』で芥川賞受賞。俳人でもある。表紙絵から、音楽のソリストの話かとカン違い。
ソロとは、インドネシア・ジャワ島の古都の旧地名で、かつて日本でもよく歌われた『ブンガワン・ソロ』の ソロ、現在のスラカルタである。ものを知らぬ小生、またもや馬脚をあらわすところであった。

表紙に描かれた楽譜にもJAVAと記され、扉にも「倣巴黎島人之ゑH写」と花森の但書がそえられている。わざわざ「バリ島の人が描いたゑに倣いHが写した」とことわるのだから、オリジナルではないのはわかるけれど、こんなところに花森安治のきまじめな性分があらわれているとおもう。コピペになれると、自他のケジメがつかなくなる。いまの時代、それがこわい。むろん自戒である。

奥付 検印紙は剥がされている
ウラ表紙

【もうひとこと】富國出版社の木村健一は文芸書のほか、戦後、雑誌『少女世界』を復刊させて知られた。ちなみに津村節子は、本名の北原節子で『少女世界』に初登場したのだとか。これも余談であるが、戦前からの少女雑誌を数多く収蔵している公立図書館があることを知った。熊本県の菊陽町図書館がそれだ。村崎修三氏がコレクションを寄贈したという。興味のあるかたは図書館ホームページをごらんください。
http://www.kikuyo-lib.jp/hp/


表紙全体