2011年10月7日金曜日

こんな日こんなとき 川奈美智子

1952


書 名 こんな日こんなとき   
著 者 川奈美智子(1913−?)
発行人 枝見静樹
発行日 昭和32年11月5日(初版)
発 行 現代社
発行所 東京都新宿区南山伏町1
印刷人 藤本鞏
印 刷 藤本総合印刷株式会社 
製 本 鈴木製本所
判 型 B6判 上製函入り 無線綴じ 口絵共本文258ページ
定 価 360円


表紙


奥付

表紙全体


【ひとこと】函の色があせてしまっているのが、まことに惜しい。この函に特徴がある。夫婦函と称せられる形式で、写真のように、本をいれる内函とフタになる外函がつながっている。仲むつまじい夫婦を形容する譬喩に「比翼の鳥、連理の枝」がある。くっついて離れないから夫婦函というのだろう。いまはコストが高くなるから、ふつうの本には、このような贅沢な函はまず作らない。


夫婦(めおと)函

函全体の外側(外函と内函を開いたところ)


【もうひとこと】川奈美智子について、よくわからない。佐佐木信綱の跋によれば、北海道出身で、駿河台女学院に学び、太田水穂に師事し、歌集もだしている。これは随筆集であるが、その水準は高く、巷によくある「私家版」を遥かに超えていて、おどろく。花森安治が装釘をひき受けただけのことはある。いま、小生がかいているような駄文雑文すべてをエッセーと称するが、ここにおさめられた気品ある随筆をよむと、小生ごときはそろそろ年貢の納め時のようだ。